IBM那覇DXセンター、「ゆいまーる」の文化で、多様な人材が集い、共創する

Presented by 日本アイ・ビー・エムデジタルサービス

Ambitions編集部

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社(以下IJDS)は、2022年から全国7カ所に「IBM地域DXセンター」を設立。その最南の拠点が、沖縄県にある那覇市のDXセンターだ。地元出身者をはじめ、U・Iターン人材とともに、南の地から全国・グローバルのプロジェクトに取り組んでいる。 全国各地でIT人材の育成とキャリア形成を実現するIBM地域DXセンターを特集するシリーズの第2回。沖縄・那覇市のセンター長・山添直登氏と、エンジニアとして勤務する太田氏に話を聞いた。

BPO業務を通じて、あらゆるビジネスをDXする

──IBM那覇DXセンター センター長の山添氏は神奈川県出身。単身赴任で那覇へ移住してきた、いわば“内地”の人だ。

山添直登氏

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社 IBM那覇DXセンター センター長

山添 私はもともと全国各地いろいろな場所で働くのが好きだったので、沖縄に拠点ができると聞き、すぐに異動希望を出しました。夏は当然暑いですが、東京のような猛暑の日は意外と少ないんですよ。冬も過ごしやすいですし、観光地としてだけではなく住環境としても魅力的だと思います。

また、那覇市は非常にコンパクトです。私はモノレールで通勤していますが、通勤時間は短く、首都圏ほどの混雑ではない。この単身赴任が終わったとき、首都圏での生活に戻れるか心配になるほど快適です(笑)。

──IBM地域DXセンターでは、全国の拠点から、都市圏をはじめとする開発業務に取り組んでいる。那覇拠点の特徴が、日本アイ・ビー・エム・スタッフ・オペレーションズ(以下ISOC)と拠点を共有し、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを提供している点だ。

BPOとは、給与計算や契約処理といった管理業務を一括でアウトソーシングし、標準化や集約化によって業務改善をする取り組みのことだ。那覇市の拠点では、BPOに最新のテクノロジーを活用し、業務プロセスの見直しや、業務の高度化などに取り組んでいる。

「ゆいまーる」の文化が、ITプロジェクトに生きる

──IBM那覇DXセンターのメンバーは、沖縄在住者と、Uターン、Iターンによる移住者がそれぞれ同数程度という。さまざまなキャリアの人が同じ場所でともに働くうえで必要な「チームワーク」が、沖縄の文化の特性だという。

山添 IBM那覇DXセンターの業務は、基本的にチームプレーで行います。沖縄には「助け合い」を意味する「ゆいまーる」という方言があるように、皆さんチームプレーが上手く、メンバー同士で自然と助け合うんですね。

つながりを大事にするため、懇親会などの出席率も高いです。仕事の時間はしっかりしていますが、飲み会は集まる時間がバラバラで、夜が長い。これも沖縄らしさですね(笑)。

沖縄で暮らしはじめて、IT人材が働く場所として、沖縄は最適だと考えるようになりました。

──現在のIBM那覇DXセンターでの働き方は、リモートと出社が半々。チームは固定ではなく、メンバーは案件ごとにさまざまなプロジェクトへ参画する。

山添 これまではキャリア採用が中心で、採用後も個人のスキルに合わせたプロジェクトを選び、適宜アサインしてきました。

これからは「IBM那覇DXセンター」主導のプロジェクトを戦略的につくり、沖縄で働く者同士のチームプレーの良さをより高めていきたいと考えています。

次世代のBPOを実現し、沖縄らしさを加速

──山添氏は、IBM那覇DXセンターの展望に、3つのビジョンを描く。ひとつは、ISOCとの協業によるBPOの強化だ。

山添 BPOの業務は、事務作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAIなどの技術を活用できれば、飛躍的な効率化や品質向上が期待できます。IJDSとISOCという異なる組織の人材が同じ場所にいることが那覇拠点の特徴でもありますので、IBMグループとしてのシナジーを発揮し、先端テクノロジーを活用した次世代のBPOを実現したいです。

──2つ目は地域貢献。沖縄に暮らしながらITのスキルを身につけたいという人や教育機関に、学びの機会を提供していきたいという。

3つ目は、未経験者や新卒人材の採用だ。開設から2年弱でメンバーの人数も増えてきた。採用の門戸をキャリア人材以外にも広げることで、拠点のさらなる拡大と、沖縄での新たな雇用創出を目指す。

山添 新卒や未経験者は、サポートする先輩がいなければ育ちません。

今、IBM那覇DXセンターには全国からすぐれたスキルを持つIT人材が集まってきています。これまで築いたIT人材の基盤の上に、若い新しい人材を育んでいきたい。

「沖縄で未経験でも大手IT企業の人材になる」という選択肢をつくることで、地域との共創を実現していきたいですね。

【働き方インタビュー】沖縄に憧れて移住。子育てもキャリアも両立する

──IBM那覇DXセンターに勤めるエンジニアの太田氏。関東圏に生まれ育ち、大学卒業後は関東でエンジニアとして勤務していたが、30歳のときに夫や子どもと一緒に沖縄へ移住。2023年2月に同センターへ入社した。

太田氏

地域DXセンター事業部 アプリケーション・プログラマー

太田 私は子どもの頃から沖縄の海や人や文化が大好きで、ずっと移住したいと思っていました。観光で訪れるのと生活をするのは異なりますが、沖縄には優しい人が多く、子育てに向いていると思います。

移住後は異なる仕事をしたこともありましたが、やっぱり自分の得意なITの業務をしたいとエンジニアに復帰。その後HPで那覇DXセンターの取り組みを見て共感し、IBM那覇DXセンターに就職しました。

──現在太田氏は、金融系システムのプロジェクトに取り組んでいる。エンジニアチームは6人体制だが、太田氏以外は東京在住。顔ぶれも20代の若手から、外国籍メンバー、太田氏と同じワーキングマザーと多彩だ。

太田 リモートでの業務が多いため、「ちゃんとコミュニケーションがとれるだろうか」「自宅でひとりの仕事に、息が詰まったりしないだろうか」といった心配もありました。

しかし勤務中は、同じプロジェクトのメンバー同士は常時オンラインでつながっていて、まるで同じフロアで雑談するみたいに気軽にやりとりができます。働き方はリモートですが、ひとりではなくチームで働いている感覚ですね。

那覇拠点のメンバー同士も、それぞれの業務をシェアする機会が定期的にあり、さらに対面での懇親会などもあるので、コミュニケーションの不安はまったくありません。

好きな環境で「学べる」ことが、エンジニアのキャリアを支えてくれる

──日本IBMグループでは拠点を問わず、スキルやレベル、分野に応じたさまざまな学習を、オンラインで受講できる。「学ぶことのできる環境」こそが、IT人材にとって重要だと、太田氏は語る。

太田 急速に進歩するIT技術に対応したスキルを身につけるには、少しずつでも勉強を続けることが重要です。しかし、学び続けるのはなかなか大変です。

日本IBMグループにはeラーニングによる研修システムが整っており、業務に役立つ資料をいくらでも見ることができるなど、自己学習を支援する仕組みが整っていると感じています。また仕事をしていて、勉強したいと思わせてくれるシーンが絶妙に多いんですよ(笑)。ちょうど先日も社内メールで「新しいコンテンツの紹介」といった連絡がきて、「おもしろそうだな」と勉強していました。

日々の業務の中で、自然と自己学習の習慣が身につき、それがエンジニアとしてのスキル向上、キャリアにつながる。とてもありがたい環境だと思いますね。

──最後に太田氏は、IBM那覇DXセンターで取り組みたいこととして、“沖縄への恩返し”を挙げた。

太田 私は沖縄が好きで移住し、子育てのときなど現地の人たちにとても助けていただいた、という思いがあります。これから、私のキャリアやスキルで、地域の役に立つことに取り組んでいきたいと思っています。

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社 (IJDS)の詳細は以下リンクよりご覧ください。

text by Koichiro Tayama / photographs by Yasunori Hidaka / edit by Keita Okubo

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