嶋浩一郎氏が語る、本を通じて身につけたいエンパシー。 時空を超えて他人に憑依し、人間を突き詰める
「時空を超えて著者や登場人物に『憑依』できる。多様な視点を身につけ、人の心のひだひだを理解することができる」。クリエイティブディレクター・編集者である嶋浩一郎氏は、本を通じて得られるものをこう表現する。2006年、既存の手法にとらわれないコミュニケーションを手がける博報堂ケトルを設立。「本屋大賞」の立ち上げに携わり、東京・下北沢で本屋B&Bを開業するなど、出版業界に広く携わる。朝日新聞社出向時には若者向け新聞『SEVEN』を創刊、雑誌『広告』編集長やカルチャー誌『ケトル』の編集長も歴任し、常に複数冊の本を併読する読書家としても知られる。嶋氏に読書指南を仰いだ。
林亜季