ビジネスやクリエイティブの世界で活躍するトップランナーたち。国内外を飛び回る彼ら彼女らの哲学やこだわりは、移動中や旅先においても発揮されている。では、観光産業の回復をはじめ、これまで以上に「旅」が日常に戻るとされるなか、トップランナーたちはどんな「旅のお供」と各地を飛び回っているのだろうか。移動を楽しむため、時短のため、そして、自分らしくあるため……。特集「わたしが前に進むために。トップランナーに聞く『旅のお供』」では、各自の「お供」に込められた思いを通じて、“前に進む”ヒントを考える。 いくつもの仕事道具を詰め込み、飛行機や電車を乗り継いでようやく会場に……。予防医療の専門家・細川モモさんは、全国出張の苦労と向き合う一人だ。一方で、2児の母として「家族での移動」にもこだわる細川さんに、出張と家族旅行を両立する工夫を聞いた。
細川モモ
予防医療・栄養コンサルタント
両親のガン闘病を機に予防医療を志し、渡米後に最先端の栄養学に出会う。栄養アドバイザーの資格を取得後、2009年に医師・管理栄養士などの専門家が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。食と母子の健康に関する共同研究を手がけ、農林水産省「食育白書」などに掲載される。現在はレディースクリニックの開業準備中。2児の母。
折りたたみパンプス Butterfly Twists「HOLLY_BLK」
ロンドン生まれのカジュアルシューズブランドの1足。足元がおしゃれに見える可愛いデザインと、歩いていても疲れにくい設計が特徴。折りたたんでもシワが残りにくいので、講演直前に屈いてもきれいに見える。
バスオイル AROMATHERAPY ASSOCIATES
こちらもイギリス発祥の、天然原料を使用したスキンケア・ボディケアブランド。シーンや気分に合わせて香りを還べる10種セットを小分けにして持っていく。特に「ディープリラックス」(コロンの香り)が気に入っているが、こればかり減ってしまうのが悩みのタネ。
細川:我が家の旅のスタイルは、出張と家族旅行を一度に行うこと。だから、家族4人分の荷物をどうコンパクトにまとめるかが重要です。例えば、真ん中で折りたためるパンプス。ビジネスの場では必要だけど、娘たちと移動する時はスニーカーを履きたい。とはいえ、荷物は減らしたい……。そんな時、旅行かばんの中に簡単に入れられる折りたたみパンプスは重宝しています。
職業柄、旅の疲れには人一倍気を使うんです。長時間の移動や旅先で寝心地が悪いと、どうしても疲れがたまりますよね。そんな時、娘たちがはしゃいでいる姿を見ると嬉しい反面、その元気さについていけない時も……。自分を癒やすためのグッズは旅先でも必須です。特に、お気に入りのバスオイルをホテルの浴槽に入れて、ゆっくりと浸かる時間の心地よさたるや。
なぜ娘たちを出張先に連れ回すのかというと、幼い頃からその土地ならではの「経験」を積んでほしいから。これは「経験の多さが良いアウトプットにつながる」という私の仕事観に由来しています。
娘たちも大人になったら、いろんな人たちと関わって仕事をしていくでしょう。その時、小さなことでも関わる相手と近しい経験をしていれば、お互いをより分かり合えると思うんです。だから今はいろんな場所を 緒に巡って、あの郷土料理がおいしい、あの街の雰囲気が好きだという気持ちをたくさん重ねてほしい。そのためにも、「旅のお供」には今後もこだわっていきます。
(2023年1月20日発売の『Ambitions Vol.02』より転載)
text by Reo Ikeda / edit by Tatsuto Muro