Zero-Tenグループがプロデュースする「福岡の未来」

Presented by Zero-Ten/Zero-Ten Park

田村朋美

福岡が好き。福岡で働きたい。 ──そう思う人は少なくないが、ワクワクするような面白い仕事を見つけられないと嘆く人は多い。そこで福岡でのUIJターンや就職・転職を考えている人に挑戦してほしいのが、アートや文化によるまちづくりと、コミュニティ運営やスタートアップ支援などによるビジネス創出を力強く推進しているプロデューサー集団、Zero-Ten/Zero-Ten Parkだ。福岡に面白い未来を仕掛けている代表取締役の榎本二郎氏と、事業プロデューサーの丁承学氏に、仕事の醍醐味を伺った。

榎本二郎

株式会社Zero-Ten 株式会社Zero-Ten Park 代表取締役社長

Zero-TenとZero-Ten Parkの存在意義

──榎本さんがZero-TenとZero-Ten Parkを立ち上げた背景、その存在意義を教えてください。

榎本氏 福岡の街を面白くしたい。そんな思いから生まれたのがZero-Ten(以下、ZT)です。“まちづくりプレーヤー”は全国津々浦々に点在していますが、その中でもZTはアートや文化的側面からコンテンツの力で福岡の街を面白くすることを目的としたプロデューサー集団です。

得意としているのは、国内外で活躍しているクリエーターやアーティストと組み、福岡や九州に眠っている原石を洗練させて世界に発信すること。

福岡には“新しい挑戦”に寛容な文化があり、東京や大阪、京都とは違う“福岡だからできる面白いクリエイティブ”をプロデュースできる素地があるので、この強みを生かして福岡の街を面白くし、国内外の人が集まって新しい価値を創出し続ける空間を作っています。

そして、Zero-Ten Park(以下、ZTP)はコワーキングスペースを基点にユニコーンとなるスタートアップや新たなビジネスの創出を目的とした組織です。始まりは、10年程前に「今までとは違う新しい働き方を提供したい」と考えて、福岡らしいオープンでフラットかつ、当時の日本では最大クラスの広さを誇るコワーキングスペース「The Company」を作ったこと。

福岡はビジネスライクな人よりも、カジュアルな付き合いから仕事につなげていく人が多いため、そこに集まった人たちが気兼ねなく声をかけやすい環境を作りました。

現在は、福岡を中心に世界5ヵ国でコワーキングを展開しており、国内外の企業やVCと福岡スタートアップとのマッチングプロジェクトも実施しています。福岡のスタートアップや地場企業が世界進出するための支援・環境づくりを加速させることで、その企業の成長と福岡の魅力度アップに貢献したいです。

福岡に足りないプロデューサー人材

「福岡にもっとプロデューサーがいれば、街やビジネスは断然面白くなるはず」──そう信じている一方で、プロデューサーという職業があまり浸透していないのが現実であり我々の課題でもあります。ZTではこれまで、世界水泳選手権の会場周辺演出や、エンターテインメント複合施設「THEATER 010」、天神ビジネスセンターの照明演出、福岡城さくらまつりなど数々のエンタメを手掛けてきました。

そのすべてはZTに所属するプロデューサーの個性が仕掛けたもの。僕は海外クリエーターとのコラボが得意ですが、メンバーの中にはローカルの良さを生かしたプロデュースが得意な人もいて、舞鶴公園で開催している福岡城さくらまつりを毎年約60万人が訪れる一大イベントに成長させました。つまり、もっと多様な個性が集まれば福岡はより面白くなるわけです。

そこで、プロデューサーという仕事の面白さを広く知ってもらうために、世界で活躍するトッププロデューサーを集めた「FUKUOKA PRODUCER SUMMIT」を2年連続で開催。これはコルク代表の佐渡島(庸平)君から「福岡にZTのようなプロデューサーが増えると、福岡はとんでもなく面白い街に成長するのではないか」と言われたのがきっかけで始まったイベントです。

何が正解なのかわからない世界で「やってみたい」を形にするのがプロデューサーであり、福岡はそれを“実験”できる稀有な街です。東京でも北海道でもない、福岡だから試せるコンテンツは山ほどあるし、可能性は無限に広がっているので、一人でも多くプロデューサーを志す人が福岡から生まれてほしいと願っています。

福岡・九州からアジア、世界へ

ZT/ZTPが目指しているのは大きく二つあり、一つは何かしらのコンテンツを持って世界に進出することです。それはコワーキングかもしれないしエンタメコンテンツかもしれない。福岡が持つ良さを世界に持っていくことで、福岡には世界中から愛される魅力がまだまだ眠っていることを福岡の人たちに再認識してもらいたいです。

もう一つは、福岡や九州の企業を“倍成長”させること。僕はカルチャーが近しいアジアはもちろん、アメリカやヨーロッパ各国の企業と組めば、福岡・九州の企業はグローバルで活躍する会社になると思っているんです。

世界とつながりやすい福岡の地の利はもっと活用できますし、ZTPが構築してきた企業やVC、起業家の卵を含めた強固なネットワークとコミュニティは武器になります。これらを糧にいろんなプレーヤーとコラボしながら、福岡から国内外に進出する企業をたくさん生み出したいと考えています。

福岡経済の発展に寄与

丁承学(ジョン スンハク)

株式会社Zero-Ten Park 事業開発部 シニアプロデューサー

──丁(ジョン)さんの役割や、ZTPの醍醐味を教えてください。

丁氏 僕の役割は、ZTPの知見やノウハウを生かして、新規事業や新たな価値を創出することです。

ZTPは世界中でコワーキングスペースの運営やネットワークの構築、スタートアップ支援を展開しているので、国内外の起業家に対してビザのサポートから資金調達、事業運営にあたっての課題全般に伴走できるのが特徴。福岡のスタートアップとアメリカでトップ20に名を連ねるアクセラレーター兼VCをマッチングし、メンタリングやピッチコンテストを実施するなど、福岡市とも密に連携しながら福岡経済の発展に寄与するプロジェクトを進めています。

また、支援しているのはスタートアップだけではありません。福岡で創業100年を超える農園芸商社と社長直下のチームを組み、新規事業の創出にも取り組んでいます。デジタル系の知識やノウハウ、人材などが不足している地域の中堅企業でも、ZTPが介入することで日常的にスタートアップのネットワークや新規事業創出のナレッジを活用できるのが、ZTPの面白さであり存在価値だと実感しています。

そんな環境下で僕がこれから取り組みたいのは、コア事業であるコワーキングスペースをバリューアップすることです。

その一貫として実験しているのは、パソコン一台で世界中どこでも仕事ができる“デジタルノマドワーカー”の受け皿になること。全国的にも働く環境が整っていないノマドワーカーのニーズに応えるべく、契約や煩雑な手続きなく週単位かつ24時間使えるプランを作りました。我々がハブになることで、エンジニアやIT従事者の誘致、新たなビジネス創出につなげ、福岡を国際的なビジネス都市へと発展させたいと考えています。

ZTやZTPでしかできない挑戦を

ZT/ZTPで働く面白さは、ワン・プロダクトではなく、面白いプロジェクトやビジネスアイデアが同時多発的にいくつも生まれていることです。

ZTのエンタメ基点によるまちづくりや、ZTPの不動産開発やスタートアップ支援、ネットワークなど多岐にわたるポートフォリオは外部からの引き合いも多く、正直いくつ体があっても足りないくらいチャレンジしたいプロジェクトであふれています。

だから、主体的にプロジェクトをリードして面白いことを成し遂げたい、能動的にビジネスのタネを拾って育てたい人にとって、今のZTやZTPのフェーズは最高に面白い環境のはず。きっと、福岡ってこんなにビジネスの可能性があったのかと驚くでしょうし(笑)、ベンチャースピリットを持つ人には国内で一番面白い場所だと言っても過言ではないはずです。


株式会社Zero-Ten
株式会社Zero-Ten Park

福岡県福岡市博多区祇園町8-13
第一プリンスビル 1F


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text & edit by Tomomi Tamura / photoglaphs by Shogo Higashino

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