堀江貴文氏、アビスパ会長らが登場! 福岡経済の可能性に熱気があふれた一夜

Ambitions FUKUOKA編集部

2023年11月14日、NewsPicks for Businessが刊行するビジネスマガジン『Ambitions』の姉妹版として、福岡経済にフォーカスした『Ambitions FUKUOKA』が創刊された。それを記念して11月13日、博多駅近くの「WITH THE STYLE FUKUOKA」で関係者を招いたパーティーが開催。福岡を牽引するビジネスリーダーら約130名が集まり、盛り上がりを見せた。本記事ではその様子をレポートする。

『Ambitions FUKUOKA』は、NewsPicks for Businessが企画・制作・発行する、福岡を特集したビジネスマガジン。政令指定都市の中で人口増加率1位、開業率1位など、全国的にも著しい成長を遂げている福岡の経済について、Ambitionsならではのストーリー、ナラティブを届けるアプローチで掘り下げた一冊だ。

編集長・大久保敬太、副編集長・田中智恵をはじめ、福岡に深い関わりをもつメンバー、東京をはじめとする福岡以外の地域から眼差しを向けるメンバーが双方の視点を交差させ、NewsPicks for Business初の地域経済コンテンツとしてリリースした。

巻頭特集は、「福岡経済を中から動かす冒険者たちのストーリー」。福岡地域戦略推進協議会(FDC)事務局長の石丸修平氏やファンド事業などを手がける株式会社ドーガン代表取締役社長の森大介氏など、福岡のビジネスシーンを牽引する5名のキーパーソンにインタビューした。第一特集「福岡経済の野心」では、生まれ変わる福岡の今を高島宗一郎市長が語り、「スタートアップ都市」としての功績と課題、次の10年の展望、そして福岡の未来を考える記事が並ぶ。

そのほか、行政、地場企業の後継経営者、スタートアップの観点から北九州市のビジネスの可能性について迫る第二特集や、U・Iターンが人気の理由を探る移住特集、大学による次世代リーダー育成の最前線など、「なぜ今、福岡経済が魅力的なのか」をさまざまな角度から取材している。

福岡市と北九州市の思いがぶつかる、白熱の「新幹線ピッチ」

『Ambitions FUKUOKA』の創刊に込められた思いは、「ビジネスのストーリーにより、人と人をつなげ、越境と共創のきっかけになること」だ。たとえば、福岡市と北九州市。同じ県内の政令指定都市でありながら、ビジネスにおいて積極的な交流が行われているとは言い難かった。

「越境」をテーマにした今回の創刊記念パーティーでは、目玉企画として「福岡・北九州新幹線ピッチ」を実施。小倉・博多間が新幹線で所要時間15分の距離ということから、3名ずつで福岡市チームと北九州市チームに分かれ、一人5分を持ち時間にそれぞれの街やビジネスの魅力をプレゼンした。

福岡市チームはFDC事務局長の石丸修平氏による「福岡と北九州、もっと連携しましょう!」という力強いピッチからスタート。2023JリーグYBCルヴァンカップの優勝でクラブ初タイトルを獲得したアビスパ福岡代表取締役会長・川森敬史氏、テクノロジー教育事業などを展開するグルーヴノーツ代表取締役会長の佐々木久美子氏が、福岡市の街の魅力や可能性について語った。

北九州市チームは、2023年に市長へ就任した武内和久氏がビデオ出演。パッション溢れる大英産業代表取締役社長・一ノ瀬謙二氏、北九州市のスタートアップシーンを牽引するクアンド代表取締役CEO・下岡純一郎氏らがプレゼンし、会場は熱気に包まれた。

左から佐々木氏、川森氏、石丸氏、コメンテーターを務めた博報堂ケトル プロデューサーの日野昌暢氏、NewsPicks for Business取締役・Ambitions編集長の林亜季

八女市出身の実業家・ホリエモンが語る、福岡ビジネスの「可能性」

続いては、誌面にも登場した実業家の堀江貴文氏が特別出演。2023年9月から自身が代表取締役会長を務めている福岡の地元ラジオ局・CROSS FM代表取締役社長の大出整氏、堀江氏が設立したプロ野球独立リーグの球団「北九州下関フェニックス」代表の竹森広樹氏と、トークセッションが催された。

自身が出演する経済メディア『NewsPicks』のレギュラー番組『HORIE ONE』での収録を機に、あらためて福岡ビジネスの可能性に注目しているという堀江氏。集まった福岡のビジネスパーソンへ、“外からの視点”でその優位性とポテンシャルを語り、会場を盛り上げた。

編集部メンバーが『Ambitions FUKUOKA』の見どころを解説したあとは、地元テレビ局のFBS福岡放送から生まれたご当地ヒーロー・バカチンガーが会場に登場。パネル前でのフォトセッションがスタートした。バカチンガーはテレビ局発の企画でありながら、そのネーミングから地上波番組への出演がNG。しかし、SNS上での活躍によりファンが増え続けている。

最後に、福岡大学の学生5名が考案したビジネスアイデアに会場参加者が投票する「学生の未来に一票」と題したコーナーを開催。最多票を集めたのは、中小企業の人材採用問題に着目し「ミスマッチをなくす、差別化採用戦略のサービス化」を提案した、経済学部産業経済学科の鶴田定士さんだ。福岡の未来を背負うリーダー人材として期待したい。

つながりの「質の高さ」が見える、福岡開催のビジネスイベント

福岡経済のコミュニティーの特徴として挙げられるのが、人と人とのつながりの“近さ”と“濃さ”。今回のイベントも参加者同士が友人・知人の関係、もしくはビジネスパートナーというケースも多く、そこからさらに知人を紹介して新たなつながりが生まれるなど、会場のあちらこちらで盛んなネットワーキングの様子が見られた。

大盛況を博した創刊記念パーティーは、NewsPicks for Business代表取締役の麻生要一による福岡・博多の伝統的な手締め「博多手一本」で幕を閉じた。また来場者には、久留米市北野町に酒蔵を構える山の壽酒造の純米大吟醸にAmbitionsのコラボラベルが付いた限定酒と、表紙の赤色が目を引く『Ambitions FUKUOKA特別版(非売品)』が配られた。

人と人が自然とつながり、新たな共創が生まれる福岡。そのビジネスシーンには、独自の体温と熱量、可能性、楽しさがある。今回、初の地域経済マガジンを制作したAmbitions編集部だが、福岡に拠点を置いて積極的に活動するメンバーを中心に取材を重ねなければ、この日の会場で見られた、人とビジネスの可能性に気づくことはできなかっただろう。

福岡に根差し、エンパワーするための情報発信を行うには、その地域に深く根を下ろす圧倒的な当事者視点と、域外から見て事象を取り上げるジャーナリズム視点、その両方が必要だと強く感じた。

九州のビジネスを加速させる──「NewsPicks for Business 九州」本格始動

NewsPicks for Businessでは、『Ambitions FUKUOKA』の創刊を機に、九州の拠点「NewsPicks for Business 九州(NP4BQ)」を本格始動させる。マガジンなどを通じた情報発信はもちろん、福岡をはじめとする九州のビジネスシーンを、ジャーナリズムや編集の視点でエンパワーする、さまざまなコンテンツソリューションを提供していく。

Ambitions FUKUOKA 編集長(NewsPicks for Business 九州 編集長) 大久保敬太

「『Ambitions FUKUOKA』創刊にあたりご協力いただいたすべての方と、知恵やつながりを授けていただいた方に、心より感謝を申し上げます。これからBtoC、BtoBの両面で、地元・福岡の経済に貢献できるよう、チーム一丸で取り組んでまいります」

Ambitions FUKUOKA 副編集長(NewsPicks for Business 九州 拠点リーダー) 田中智恵

「この度は『Ambitions FUKUOKA』を世に送り出せたこと、大変嬉しく思います。これもひとえに、福岡のビジネスシーンでご活躍の皆さまのおかげです。『Ambitions FUKUOKA』はマガジンとイベントを通じて、福岡の情報発信力を高める、そして地域や分野を越境したビジネスの機会を生み出すことを目的に進めてきたプロジェクトです。今後は『Ambitions FUKUOKA』を含む、クリエイティブとコンテンツの提供により、福岡、そして九州のビジネスの発展に貢献できればと思っております。皆さまと楽しい仕掛けをどんどんつくれたら幸いです。これからどうぞよろしくお願いします」

『Ambitions FUKUOKA』創刊記念パーティーに携わったAmbitions編集部およびNewsPicks for Businessのメンバーたち

text by Tomomi Tamura /photographs by Kensuke Takehara/ edit by Keita Okubo

#イノベーション

最新号

Ambitions Vol.4

発売

ビジネス「以外」の話をしよう。

生成AIの著しい進化を目の当たりにした2023年を経て、2024年。ビジネスの新境地を切り拓くヒントと原動力は、実はビジネス「以外」にあるのではないでしょうか──。すべてのビジネスパーソンに捧げる、「越境」のススメ。