Ambitions×AIの共創プロジェクト連載の第3回。 Ambitions創刊からアートディレクション・デザインを担う髙田尚弥氏を招き、クリエイティブ領域におけるAI活用の現状と可能性を探る。聞き手は、Ambitions事業部編集長の大久保が務める。
※本連載は、Xarisを活用して作成
※バナー・デザインに、ChatGPT「DALL・E」を使用
髙田尚弥
Ambitions アートディレクター / 株式会社ブランドジャーナリズム クリエイティブディレクター
実装レベルは高い、しかし導入は部分的という実情
大久保 今日はよろしくお願いします。Ambitionsでは執筆アシストだけでなく、デザインの領域でも積極的にAIを活用していきたいと考えています。例えばこのシリーズのバナーなども、AIを使って制作してくださいました。
さまざまなデザイン業務を行う中で、AIの活用はどの程度広がっているのでしょうか?
髙田 デザイン領域でいうと、実は以前からAIが使われていたんですよ。例えば、ある写真を誌面に使用する時、本来なら写真のフレームで切れている背景を伸ばすなど、加工でよくあります。それが、ここ1〜2年、格段に精度が向上してきています。
ただ、皆さんがイメージするのは、何もないところからビジュアルのイメージを生成する使い方だと思います。それについては、まだ実務でバンバン使われているわけではありません。
私は企業の発信物などのデザインを行うことが多いのですが、そこでAIを使うことに対しては、多くの企業が慎重になっているようです。
大久保 いわゆるクライアントワークですね。デザイン提案などでAIの案を入れ込むなど?
髙田 ええ、例えば2案出す時に、普通に作るものとAIで作ったものを両方提案したりはしています。企業の規模が大きくなればなるほど、どうしてもその辺りは慎重にならざるを得ないというか、なかなか難しいですね。
大久保 その「難しい」というのは、具体的にどんな部分で感じますか?
髙田 AIの著作権的な部分とかって、まだまだ議論されている部分じゃないですか。企業側も、その辺りに対して明確な答えを持っているわけではない場合が多いので、どうしても最初の段階で「ちょっと難しいかも…」となってしまうことはありますね。
大久保 著作権の問題は、具体的にどんな点が懸念されているんでしょうか?
髙田 生成AIって、インターネット上にある膨大な画像データから学習してアウトプットを生み出すわけですよね。そうすると、例えば、そのアウトプットが、たまたまどこかの誰かの作品と似てしまっていた場合、それは果たしてどうなの? という問題が出てくる。
もちろん、アウトプットが完全に一致していたらアウト。問題は、インターネット上の画像から「要素」を学習しているという点で、誰かの作った制作物からヒントを得ているとしたら、それはセーフなのかアウトなのか、まだはっきりとした線引きが難しい部分が多いんです。
大久保 そういったグレーな部分がある以上、企業としては、なかなか簡単に「使ってみよう!」とはなりづらいですよね。
髙田 そうですね。ただ、AIを使っていることを明記することでよしとするケースもあります。ある大学の研究施設のパンフレットを制作した際に、一部イラストをAIで生成したものを使用したのですが、その際に「これはAIの生成イメージです」といった注釈を入れた上で使用しました。
AIはデザインの可能性を広げる
大久保 具体的にAIを使った制作物はありますか?
髙田 Ambitionsの事例でいうと、2023年に発売したAmbitions VOL.3の企画「人的資本経営の罠」のイメージに、AIを活用しました。
大久保 ああ、ありましたね。“罠感”を感じる印象的なビジュアルですね。
髙田 この時は、「人的資本経営の罠」という企画を表現する上でどんなイメージが適切かを考えるために、AIに様々なキーワードを入力して画像を生成していきました。「罠」「迷路」「未来」「不安」「希望」……みたいなイメージワードですね。
大久保 この時も、ページに利用したAIとプロンプトは明記していますね。
髙田 ええ、AIの使い方という点では、生成したイメージをそのまま使うよりも、生成しながらデザインイメージを導く「壁打ち」に使いました。
「人的資本経営の罠」では、まずAIでいろいろとイメージを生成し、そこから「迷路」というモチーフを思いつき、アウトプットのひとつにしました。そして、ネガティブなイメージで終わらせるのではなく、「迷路の先には希望もある」というメッセージを込めるために、色はイエロー系で、企画の後半では明るさを感じられるようにしています。
大久保 そんな工程があったのですね。
髙田 AIによってまずイメージを得ることで、そこから「こういう表現もいいな」「こんな要素を取り入れてみよう」と、自分の発想を広げていくためのヒントにしました。こういう使い方はとても便利だと感じます。
AIによるイメージで、コミュニケーションが円滑になる
大久保 AIは、アウトプットを生成するだけでなく、思考のとっかかりのために使うというのは面白いですね。言われてみれば納得できます。
髙田 クライアントワークでもかなり使えますよ。企業のデザイン物を作るときは、デザインの方向性やイメージを参考資料や言葉のイメージで伝え、議論しながら進めるものです。
しかし、会議のたびにゼロからイメージをつくるわけにはいきません。
しかし、イメージを共有できていないと、実際に作った時に齟齬が出てしまう。
大久保 ああ、なんとなく分かります。頭の中を人に伝えるって難しいですし、特にデザインなど専門的な領域では、それ以外の人にイメージを共通することは、結構大変ですよね。
髙田 そうなんです。でも、AIを使うようになってからは、そのイメージ共有がかなりスムーズに進むようになりました。
「未来都市っぽいイメージ」「温かみのある雰囲気」といった抽象的なキーワードをAIに入力して、イメージに近い画像をいくつか生成します。もちろん、そのまますぐに使えるクオリティの画像が出てくるわけではありませんが、それをたたき台にして、クライアントと「もっと近未来的な感じ」「もう少し優しい色合いで」といったように、イメージを具体的にしていくことができます。
大久保 AIを使うことで、言葉の壁を超えて、視覚的にイメージを共有できるんですね。
髙田 クライアントワークでは、この「イメージのすり合わせ」が非常に重要です。AIを使うようになってからは、そのプロセスが効率化されただけでなく、今まで以上にクライアントと密にコミュニケーションを取りながら制作を進められるようになったと感じています。
AI時代でも変わらない、デザイナーの価値とは?
大久保 AIが進化していくことで、将来的にはクリエーターの仕事がなくなってしまうんじゃないか…なんて声も聞きます。髙田さんはどう考えていますか?
髙田 AI技術の進化は凄まじいですし、「AIに仕事を奪われる」という不安を持つ気持ちも分からなくはないです。
でも私は、AIを活用することで、デザイナーはもっとクリエイティブな仕事に集中できるようになり、新しい価値を生み出せるようになると考えています。
AIは、膨大なデータの中からパターンや傾向を学習し、効率的にアウトプットを生み出すことができます。でも、AIにはできないことがあります。
クライアントの想いや背景を理解し、共感しながら、人の心を動かすデザインを生み出すことです。
大久保 確かに、デザインって、ただ単に「見栄えを良くする」だけのものではないですもんね。そこには、必ず「想い」が込められている。
髙田 ええ。クライアントの想いや商品の魅力を、どのようにすれば一番効果的に伝えられるのか? ターゲットの心に響かせるためには、どんなデザインや表現が最適なのか? そういったことを考え、形にするのが、デザイナーの仕事です。
AIは、そんなデザイナーにとって非常に強力なパートナーになり得ると考えています。
大久保 AI時代においても、デザイナーの仕事はなくなるどころか、その重要性は増していくと。
髙田 はい。AI技術を恐れず、積極的に活用していくことで、デザイナーはさらに活躍の場を広げていけると私は信じています。
大久保 今日は貴重なお話をありがとうございました。
本記事は、Xarisで生成した構成や原稿の修正を繰り返し、最終的に「編集」したものです。
以降、Xarisが生成したそのままの原稿を紹介します。
AIはクリエイティブの脅威? 現場デザイナーが語る、活用のリアルと未来
画像生成AIの登場や、PhotoshopなどのデザインツールにおけるAI機能の搭載など、近年、AI技術はクリエイティブ領域においても急速な進化を遂げています。私たちの仕事や生活に変化をもたらす可能性を秘める一方で、「AIによって人間の仕事が奪われるのではないか」といった不安の声も耳にするようになりました。
AIはクリエイティブの脅威となるのでしょうか? それとも、クリエイターの可能性を広げるツールとなるのでしょうか?
本記事では、株式会社Ambitionsでデザイナーとして活躍する髙田氏へのインタビューを通して、AI活用のリアルな現状と、AI時代におけるクリエイティブの未来について探っていきます。
企業はAI導入に慎重? その理由は?
大久保: 今日はよろしくお願いします。早速ですが、Ambitionsさんでは、去年のボリューム3くらいの頃から、AIが広がり始めた頃に使い始めていただいてると思うんですけれども、まず髙田さん的に今、AIってどの領域でどれぐらい実務として出てきてるものですかね?
髙田: 正直なところ、実務でバンバン使われているかというと、まだそこまで多くはないですね。企業側も、やっぱりまだ慎重になっているところが多かったりするのが現状です。
大久保: 提案とかでも、AIを使うことはあるんですか?
髙田: もちろん、提案するときに、普通に作るものとAIで作ったものを両方提案したりはしています。ただ、やっぱり企業の規模が大きくなればなるほど、どうしてもその辺りは慎重にならざるを得ないというか、なかなか難しいですね。
大久保: その「難しい」というのは、具体的にどんな部分で感じますか?
髙田: やっぱりAIの著作権的な部分とかって、まだまだ議論されている部分じゃないですか。企業側も、その辺りに対して明確な答えを持っているわけではない場合が多いので、どうしても最初の段階で「ちょっと難しいかも…」となってしまうことはありますね。
大久保: なるほど。著作権の問題は、具体的にどんな点が懸念されているんでしょうか?
髙田: 生成AIって、インターネット上にある膨大な画像データから学習してアウトプットを生み出すわけですよね。そうすると、例えば、そのアウトプットが、たまたまどこかの誰かの作品と似てしまっていた場合、それは果たしてどうなの?という問題が出てくる。
もちろん、アウトプットが完全に一致していたら完全にアウトなんですけど、問題は、インターネット上の画像から「要素」を学習しているという点で、それが誰かの作った製作物からヒントを得ているとしたら、それはセーフなのかアウトなのか、まだはっきりとした線引きが難しい部分が多いんです。
大久保: そういったグレーな部分がある以上、企業としては、なかなか簡単に「使ってみよう!」とはなりづらいですよね…。
髙田: そうですね。ただ、実際にAIを使って制作したものでも、注釈をしっかり入れることで、一部OKが出たケースもあります。例えば、ある大学の研究施設のパンフレットを制作した際に、一部イラストをAIで生成したものを使用したのですが、その際に「これはAIの生成イメージです」といった注釈を入れた上で使用しました。
AIはデザインの可能性を広げる
大久保: なるほど。注釈を入れることで、AIの使用範囲を広げているケースもあるんですね。ちなみに、現状だと、AIはどんなシーンでなら比較的使いやすいんでしょうか?
髙田: 大きく分けて2つありますね。1つは、さっき話に出たような、メインビジュアルではなく、サブ的に使用するイラストやイメージ画像などですね。もう1つは、抽象度の高いビジュアルを作る場合です。
大久保: 抽象度の高いビジュアル…?
髙田: はい。例えば、クライアントワークでよくあるのが、「こんな感じのイメージで」という漠然とした要望をいただくケースです。以前は、言葉で説明したり、参考資料を探したりと、イメージを共有するまでに時間がかかっていました。
大久保: ああ、なんとなく分かります。デザイナーじゃない人からすると、自分の頭の中にあるイメージを的確に言葉で伝えるのって、結構難しいんですよね。
髙田: そうなんです。でも、AIを使うようになってからは、そのイメージ共有がかなりスムーズに進むようになったと感じています。
大久保: 具体的に、どんなふうに使うんですか?
髙田: 例えば、「未来都市っぽいイメージ」「温かみのある雰囲気」といった抽象的なキーワードをAIに入力して、イメージに近い画像をいくつか生成します。もちろん、そのまますぐに使えるクオリティの画像が出てくるわけではありませんが、それをたたき台にして、クライアントと「もっと近未来的な感じ」「もう少し優しい色合いで」といったように、イメージを具体的にしていくことができます。
大久保: なるほど! AIを使うことで、言葉の壁を超えて、視覚的にイメージを共有できるんですね。
髙田: そうですね。Ambitionsでは、Webサイト制作でもデザインに力を入れているんですが、クライアントワークでは、この「イメージのすり合わせ」が非常に重要なんです。AIを使うようになってからは、そのプロセスが効率化されただけでなく、今まで以上にクライアントと密にコミュニケーションを取りながら制作を進められるようになったと感じています。
大久保: AIによって、クライアントとのコミュニケーションが円滑になるというのは、面白いですね。他にも、AIを使うメリットってありますか?
髙田: そうですね。AIはデザイン作業の効率化はもちろんのこと、今までにない表現を生み出す可能性も秘めています。例えば、画像の加工や補正は以前から行われていましたが、AIの進化によって、その精度が格段に向上しました。Ambitionsの制作事例でいうと、「二徳の人的資本経営の罠」という特集記事のデザイン作業で、AIを積極的に活用しました。
大久保: ああ! あの、背景がグラデーションになっている、印象的なビジュアルですね。
髙田: そう、あのビジュアルです。実は、あの背景も、最初にAIを使ってイメージを膨らませていったんですよ。
大久保: えっ、そうなんですか? 具体的に、どんなふうにAIを使ったんですか?
髙田: まず、最初に「人的資本経営の罠」というテーマを表現する上で、どんなイメージが適切かを考えるために、AIに様々なキーワードを入力して、画像を生成していきました。「罠」「迷路」「未来」「不安」「希望」…みたいなイメージワードですね。
大久保: なるほど。AIは、あくまでも「イメージを形にする」ためのツールとして活用しているんですね。
髙田: まさにそうです。AIが生成した画像は、もちろんそのまま使えるものではありません。でも、そこから「こういう表現もいいな」「こんな要素を取り入れてみよう」といったように、自分の発想を広げていくためのヒントにすることができます。
例えば、「二徳の人的資本経営の罠」のビジュアルでは、AIで生成した画像を参考にしながら、「迷路」というモチーフを思いつきました。そして、単に「罠」というネガティブなイメージで終わらせるのではなく、「迷路の先には希望もある」というメッセージを込めるために、イエロー系の明るいグラデーションを使うことを決めました。
AI時代でも変わらない、デザイナーの価値とは?
大久保: AIが進化していくことで、将来的には、デザイナーの仕事がなくなってしまうんじゃないか…なんて声も耳にすることがありますが、髙田さんはどう考えていますか?
髙田: そうですね…確かに、AI技術の進化は凄まじいですし、「AIに仕事を奪われる」という不安を持つ気持ちも分からなくはないです。
でも、私は、デザイナーの仕事がなくなることはないと思っています。むしろ、AIを活用することで、デザイナーはもっとクリエイティブな仕事に集中できるようになり、新しい価値を生み出せるようになると考えています。
大久保: なるほど。AIはあくまでも「ツール」であり、それを使いこなすのは人間である、と。
髙田: その通りです。AIは、膨大なデータの中からパターンや傾向を学習し、効率的にアウトプットを生み出すことができます。でも、AIにはできないことがあります。それは、クライアントの想いや背景を理解し、共感しながら、人の心を動かすデザインを生み出すことです。
大久保: 確かに、デザインって、ただ単に「見栄えを良くする」だけのものではないですもんね。そこには、必ず「想い」が込められている。
髙田: そうですね。クライアントの想いや商品の魅力を、どのようにすれば一番効果的に伝えられるのか? ターゲットの心に響かせるためには、どんなデザインや表現が最適なのか? そういったことを考え、カタチにするのが、デザイナーの仕事です。
AIは、そんなデザイナーにとって、非常に強力なパートナーになり得ると私は考えています。AIを活用することで、今まで以上にスピーディーに、そして、より質の高いアウトプットを生み出せるようになるはずです。
大久保: AI時代においても、デザイナーの仕事はなくなるどころか、むしろ、その重要性は増していくと。
髙田: はい。AI技術を恐れず、積極的に活用していくことで、デザイナーはさらに活躍の場を広げていけると私は信じています。
大久保: 今日は貴重なお話をありがとうございました!